2013年鑑賞映画ベスト10

2013年映画館で鑑賞した映画は38本、DVDは60本ののべ98本でした。今年も100本…届かなかった……。
ランキングを付けるほどたくさん映画をみたわけではないので今年も順位はつけません。面白かった10本を鑑賞順に並べました。


○桃さんのしあわせ


厳密には2012年公開なんですけど札幌は年明け公開だったので入れました。
理想的で、でも夢物語ではない最高級のしあわせを感じられる映画でした。誰が1人でも愛した人がいてその人に看取られて死ぬ人生がやっぱりいちばんのしあわせなんだろうなとかそんなことを考えてしまう。
地味な映画だけど、ひとつひとつのシーンが噛みしめたくなるようなしあわせの積み重ねになっていて凄く素敵でした。



○ジャンゴ〜繋がれざる者

今ふと思ったけどタランティーノ監督作品ではもしかしたら一番すきかもしれない。
文句言うとしたら長尺なとこくらいで、あとはもうとにかくひたすら面白くって夢中になります。綿花畑に飛び散る鮮血とか目に焼きつくシーンもいっぱいあって“私は今面白い映画を観ている!!”という興奮を存分に味わいました。役者さんたちはもう全員凄いです全員凄くて全員恰好良くって全員ぶっとんでて全員ラスボス感があるというか全員貫禄のぶつかり合いです。マザファカ!!!



ライフ・オブ・パイ〜虎と漂流した227日間(2D)

IMAXで観れば良かった!!!!!!!!!!!!!!!と心底後悔するくらい美しくて迫力の漂流体験でした。
これはどんなに大きいテレビが自宅にあっても解像度の高いBDで再生してもそれは本物ではないと感じるんだろうなー。映画館のスケールと環境を十分に活かした映画というのはそれだけでもひとつの魅力だと私は思うので、こういう映画を観た時は高いチケット代も払い甲斐があると思えてしまいます。




イノセント・ガーデン

言わずもがなミア・ワシコウスカちゃん主演にして彼女の新たな魅力が花開いている佳作!!!!麗しくも繊細で危うげな高校生を演じるミアちゃん!!!!黒髪とワンピースとピアノと猟銃がお似合いなミアちゃん!!!!
パク・チャヌク監督らしい狂気が全体に張り詰めていて不思議な魅力のある映画でした。
ミアちゃんの自慰シーンよりピアノの連弾シーンの方が数倍性的なのもそのひとつ。
ミアちゃんの眉間の皺度は過去最高クラスです。





パシフィック・リムIMAX

映画好きな人たちが軒並み鼻血と唾をまき散らす勢いで熱狂していたギレルモ監督のロボ映画。同時にIMAX、4DXシアターの価値を再認識させられた映画でもあったかもしれません。もう普通の3Dなんて観てられない。
映画を観て「面白かった」という感想は多分百万回言ってきたと思うけれど、「楽しかった」と言う感想を抱いたのはひょっとすると初めてかもしれないです。最早アトラクションと言っても良いくらいの高揚感。アニメ特撮を幼児期に通過してる日本人は漏れなく一緒に興奮して叫んですっきりして劇場を後にしたんだろうなぁと思いました。



サイド・エフェクト

特に思い入れもなかったソダーバーグ監督の映画でなんとなく観に行った筈がどストライクを決められてしまった作品。私は映画を観る前は予告編も極力観ないしあらすじも知らないし下手すりゃキャストすら知らない状態で挑むんですけど、この映画はなるべくそんな風にまっさらな状態で観た方がいいと思います。
何が起きているのかとか誰が悪いのかとかどうしてそうなったのとかそういう問題に向き合った時、観ている側も一緒に混乱する描き方になっていてそれがとにかく秀逸だなぁと思いました。10分前にそうだと思った正義が裏返るような展開に夢中になりました。ジュード・ロウルーニー・マーラちゃんの演技も素晴らしいです。特にルニマラちゃんが魅力的でもっともっと好きになりました。目が離せないスリラーってやっぱり大好き。




タイピスト

デボラ・フランソワちゃん主演のTHE少女漫画的映画。苦手なひともいそうですが、ベタ大好きな私には魅力的な作品でした。ピンクのファッションライター可愛い。
デボラちゃんが妙にミア・ワシコウスカちゃんに似ているのも個人的には高ポイントでした。表情筋の使い方とか、ジト目の使い方とかが似てたんだよなー。
「なかよし」で育って花とゆめ系少女漫画がすきなひとはきっとだいじょうぶ。可愛いものが観たい時におすすめです。



○クロニクル

デイン・デハーン出世作となった青春映画。AKIRAだいすきな私は大興奮でした。ルサンチマンの大爆発だよ!持つ者と持たざる者の圧倒的な壁!自意識過剰であることに気づけない若さ!若さゆえの愚行!お金がいるのにバイトしないの?!いろんな感情が爆発してます。
演出的な音楽がなくって、超能力がギリギリのラインで現実味を持って描かれているのがいいなと思いました。




鑑定士と顔のない依頼人

ミステリアスな美女とじいちゃんのロマンス映画だと思って観に行ったら当たらずと雖も遠からずで、でもそれだけでは終わらない圧倒的な喪失感を味わわされました。
緻密に張り巡らされた伏線が全て結末に結びついていて、しかも思い返すといずれも漏れなく喪失感が深まる仕組みになっているのが凄いです。サディスティック!
そういえばジェフリー・ラッシュの演技の幅が凄過ぎて一周まわって笑ってしまったシーンがありました。あとこの人は声が素敵だなぁ。



ゼロ・グラビティIMAX

宇宙に行って帰ってきました感が半端じゃなかったです。
サンドラ・ブロック過呼吸を聞いてると一緒にパニックになりそうでした。そんな中でスーパーイケてる上司っぷりを発揮するジョージ・クルーニーはとにかくずるかった…。そして良い。
この映画を観てから宇宙ステーション中継の若田さんの姿を見るとハラハラするようになってしまいました。単純なんで。
でもあの無音で巨大で圧倒的に敵わない宇宙という存在と対峙できる(ように感じられる)この映画は凄いなと思いました。観て良かった、に近いかも。例にも漏れずIMAXで観るべきです。というか多分これ、42型テレビでDVDとかで観ちゃっても魅力全然伝わらないのでは。
鑑賞後、宇宙ってどこまで続いてんのかなとか、自分は宇宙にとって細胞の一部でしかないのでは、とかそんな思春期みたいな妄想がついつい膨らんでしまうのも面白かったです。