かみさまかみさまチンクルホイ
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当時いまいちピンとこなかった1巻を購入してから約1年半。思い出したように読み返してみると、止まらなかった。そのまま勢いづくままに5巻まで集めた。
浅野いにおに出会ったのは私が17歳のとき。当時の浅野いにおは23歳で、彼にとって最初のコミックスとなる「素晴らしい日々」であった。
この漫画がオサレ漫画は鬼門であると思っている私にとってはなんともギリギリの漫画で、オシャレでリアルな絵柄と邦楽オタっぽさを臭わせるタイトル、哲学チックなストーリーに生々しい台詞は、もう許容と拒絶のボーダーライン上をなぞりつづけるくらいのモンだった。まぁ勿論、結果として面白いとは思うんだけども。
そんな訳で、嫌いじゃないけど好きな漫画家に浅野いにおの名前を挙げるには少しの抵抗があったりした。でも、それも今日までの話。
今日からおやすみプンプンは私の中でトクベツ漫画に殿堂入り!っっす。
青春漫画と括るにはあまりに深くて、黒くて、透明で。
思春期の混沌とした気持ちと現実とが絡み合って混じり合って拒絶し合って、プンプンというコドモが成長とともに人間らしくヨゴレていく姿がなんともリアルに描かれている。
本来はじゃにーず系(らしい)容姿のプンプンは幼稚園児の書いた鳥のような姿で描かれつづけているのもとても面白い。
2巻までは、長いプロローグみたいな感じがしてとにかく3巻から強烈に引き込まれる。
というのも両親が離婚して、親子関係は歪で、学校の温度になじめなくて、だけど心の奥底で強烈に愛を求めて、…っていうプンプンにものすごく境遇的にも自己投影できてしまう。自己愛はうんざりするみたいになじられるのとか、なんか、もう凄く自分自身に影響が出て…。中二病発症寸前だよもう(笑)
雄一のいう、“罪の意識に生かされていることに気付く苦しみ”とかもとても心に残る。
かなりアクの強さがあって(内容だけじゃなくて表現方法的にも)読み手を選ぶ漫画だとは思うんだけど、是非読んだことのない人は一読してほしい。
というかこの良さを一緒に語ることができたら初対面でも心の友だと思えるや。